
飲食店の新規開業やリニューアルのタイミングで、「どの厨房機器を選べばいいの?」と迷う方は多いです。そんなとき頼りになるのが厨房機器の展示会です。実物を見て触れて、メーカー担当者に直接質問できる場なので、カタログだけでは分からない違いがつかめます。この記事では、展示会情報の探し方から当日の回り方、失敗しない比較ポイントまでをまとめます。
厨房機器の展示会に行くメリット
展示会は「新しい製品を見るイベント」というだけでなく、導入判断に必要な情報を一気に集められる場所です。初めて参加する方ほど、得られる収穫は大きくなります。
実物比較でサイズ感と使い勝手が分かる
同じ「スチームコンベクション」でも扉の開き方、操作パネルの見やすさ、庫内の掃除のしやすさはメーカーで差があります。展示会なら実機の前で動線を想像しながら確認できます。厨房は数センチの差が積み重なって作業効率が変わるので、メジャーで幅・奥行き・扉の可動域まで見ておくと安心です。
担当者にその場で聞けるので判断が早い
「この機種は一日何食くらいまで想定?」「油はね対策は?」「部品の納期は?」など、現場目線の質問にすぐ答えてもらえます。さらに、保守契約の内容や故障時の対応時間など、導入後の不安もまとめて確認できます。
展示会情報の探し方とチェック項目
どの展示会に行くかで、得られる情報の質が変わります。ここでは初心者でも迷いにくい探し方と、事前に見ておきたいポイントを紹介します。
公式サイトと業界団体のカレンダーを見る
まずは「厨房機器 展示会」「業務用 厨房 展示会」などで検索し、主催者の公式ページで開催日程・会場・出展社を確認します。外食産業向けの総合展、食品加工向け、衛生・清掃機器に強い展など、テーマが違うことも多いです。目的に合う展示会を選ぶのが近道です。
出展社・セミナー・来場条件を事前確認
チェック項目は次の3つです。
・出展社一覧:欲しいカテゴリ(加熱、冷蔵、洗浄、換気、省エネ、POSなど)が揃うか
・セミナー:補助金や衛生管理、厨房設計などの講演があるか
・来場条件:事前登録の要否、入場料、名刺が必要か、撮影可否
当日バタつかないためにも、公式の案内を一度読んでおくのがおすすめです。
当日の回り方:短時間でも成果を出す
展示会は会場が広く、気になるブースを全部回ろうとすると疲れてしまいます。ポイントは「見る順番」と「聞く内容」を決めておくことです。
目的別の回遊ルートを作る
最初に受付でもらう会場マップに、優先ブースを3〜5社だけ印をつけます。そのうえで、
・必須:今回必ず導入したい機器(例:冷凍冷蔵庫、食洗機)
・比較:候補が複数ある機器(例:フライヤー、オーブン)
・参考:将来導入したい設備(例:真空包装機、急速冷却)
の順で回ると、時間が足りなくなる失敗を防げます。
質問テンプレを用意して条件を揃える
比較は「同じ質問を各社にする」とブレにくいです。たとえば次のように聞きます。
・電源と必要容量、ガス種、排気条件
・必要な設置スペースと搬入経路の注意点
・月あたりの電気代目安、節電モードの有無
・消耗品の価格、清掃頻度、日常点検
・保証期間、保守対応エリア、修理までの目安
メモはスマホでも良いですが、後で見返すなら紙のチェックシートも便利です。
導入検討で見落としがちなポイント
価格や性能だけで決めると、導入後に「こんなはずじゃ…」となりがちです。展示会では、運用面まで具体的に確認しておくと安心です。
メンテナンス性と部品供給
フィルターやパッキンの交換が簡単か、工具が必要か、分解清掃はどこまでできるかを聞きましょう。部品の在庫と供給年数、代替機の貸し出し有無も重要です。忙しい時期に止まると売上に直結します。
厨房レイアウトと作業動線の相性
機器単体の良さより、店の動線に合うかが最優先です。扉の開閉方向、熱や蒸気がこもらないか、排水や床の勾配に問題がないかも確認ポイントです。可能なら、簡単な厨房図面や寸法メモを持参すると相談がスムーズです。
最後に
厨房機器の展示会は、情報収集と比較の近道です。公式サイトで展示会情報を確認し、出展社とセミナーをチェックしてから行くと、短時間でもしっかり成果が出ます。当日は「優先順位」「質問テンプレ」「寸法確認」を意識して回り、導入後の保守や動線までイメージして選ぶのがコツです。迷ったら、その場で見積もり条件をそろえて複数社から提案をもらい、後日落ち着いて比較しましょう。
