飲食店や医療機関、介護施設の厨房においては、厨房設備の点検や清掃を徹底的に行うことが求められます。厨房設備の点検や清掃において、注意したいポイントを分かりやすくお伝えしますので、安心して食事の提供ができる衛生的な厨房を整えるための参考になさってください。

 

厨房設備の管理がしっかり行える環境づくりの大切さ

厨房設備を安全に使える環境を維持するには、厨房設備を定期的に点検、清掃することが大事です。油を使用するフライヤーの付近は、汚れが固化しやすいため、特に早めに掃除をするようにして、きれいな状態を保ってください。また、換気フードや換気扇、グリスフィルター等の換気設備を丁寧に点検することも心掛けましょう。

 
厨房設備の管理をするうえで特に注意したいのが、防災対策です。厨房ダクト火災は、主にダクトに付着した汚れへ火が燃え移ったことで発生します。ダクト内の汚れを放置してしまうことがないよう、従業員にも安全意識を持って業務に臨むように指導を行い、清掃の重要性を伝えることが大事です。日常的な清掃だけでは厨房設備の衛生管理が難しい場合は、厨房設備の洗浄を専門的に手掛ける業者に清掃を定期的に依頼する方法もあります。

 
専門的なノウハウを持つ業者に清掃作業を依頼すると、どれだけ時間を掛けてもきれいにならなかった厨房設備の汚れが落ちて、すっきりとした衛生的な状態を取り戻すことも可能です。

 
火災発生等の万が一に備えられる設備として、厨房用のフードダクト消火設備を設置するのもおすすめです。フードダクト消火設備を設置していれば、厨房火災の初期消火ができるため、火災が発生した際に広がる被害を最小限に抑えられます。ほかの厨房設備の邪魔をしないコンパクトなサイズの消火設備も豊富に揃っていて、狭い厨房でも設置がしやすいのも魅力です。

 
大型の建物内にある厨房から火災が発生すると、厨房内のみの火災では収まらず、ビル全体の広い範囲に火が広がって、大きな被害を与えてしまうこともあり得ます。慎重に設備設置を検討しましょう。厨房ダクト火災によって、近隣の店舗や施設に延焼等の被害を与えてしまった場合、補償金の支払い義務が生じることもあります。

 

日常的な厨房設備の清掃における注意点とは?

日常的な厨房設備の清掃を快適に行うためには、厨房の広さに適した清掃道具を適切に揃えておくことが必要です。また、清掃道具の管理方法や管理場所にも気を配るようにしましょう。清掃道具を保管する場所は、厨房内ではなく、厨房の外で吊り下げて収納するのがおすすめです。

 
清掃道具を床に直置きにするのではなく、吊り下げておくことで、乾燥が早くなり、雑菌の増殖を防ぎやすくなります。清掃道具の保管場所は、ハエなどの害虫発生の温床ともなりやすいため、換気を徹底するよう心掛けてください。

 
清掃点検については、定期的に日程を決めて実施することが望ましいでしょう。従業員のローテーションを決めて、厨房設備を隈なく点検できるようにして、安心安全な厨房環境を保つことが大切です。従業員に衛生管理を担当してもらうと、各自の衛生管理に対する意識を高めることにもつながります。義務的に点検するのではなく、誰もが積極的に点検に取り組めるようにしてください。

 

おわりに

厨房設備の管理をするうえでは、日常的な清掃点検を徹底することが欠かせません。ダクト内に付着した汚れが原因となって発生する厨房ダクト火災を未然に防ぐためにも、清掃点検を丁寧に行うようにしてください。

 
厨房設備の衛生管理に難しさを感じる場合、専門業者に依頼して、清掃点検を行ってもらうのもおすすめです。便利なサービスも上手に活用して、安心安全な厨房を維持しましょう。